
2025 年末までに reCAPTCHA の移行が必要
2025 年末までに 既存の reCAPTCHA キー(v2/v3)を Google Cloud プロジェクトへ関連付け する必要があります。Google から「移行してください」というメールが届いた方も多いでしょう。移行自体は難しくありませんが、無料枠(10 k/月)を超える場合は課金設定が必須 になる点に注意しましょう。
reCAPTCHA とは
reCAPTCHA は、ボットやスパム投稿を検知して Web フォームを守るセキュリティ機能です。
例えば、以下のようなシーンで見かけることがあるかもしれません。
- 「私はロボットではありません」 にチェックを入れる画面
- 「信号機の画像をすべて選んでください」 などのテスト
これらは、悪意のあるボット(自動プログラム)による不正アクセスを防ぐために設けられています。
バージョン | 特徴 |
---|---|
v2 | 「私はロボットではありません」チェックボックスや、画像選択テスト |
v3 | ユーザー行動をバックグラウンドでスコア化。操作不要 |
なぜ Google Cloud への移行が必須なのか—3 つの理由
2025 年末までに reCAPTCHA のサイトキーを Google Cloud プロジェクトへ関連付ける 必要があります。
これは単なる名義変更ではなく、次の 3 点を実現するための統合です。
- セキュリティ基盤の強化
Google Cloud のインフラに統合することで、reCAPTCHA は Cloud Armor や Web Risk など他の防御サービスとシームレスに連携できます。これにより攻撃検知の精度と対処速度が向上します。Google Cloud - 運用と監査の一元管理
Cloud Console でアクセスログやしきい値の調整を視覚的に確認でき、アラート設定も可能です。99.9 % の稼働 SLA も適用され、障害時のサポート体制が明確になります。Google Cloud - 利用規約と課金体系の統一
従来の “reCAPTCHA Classic” は段階的に廃止され、reCAPTCHA Enterprise に一本化されます。これに伴い、無料枠(10 k Assessments/月)と $8 からの課金モデルが Google Cloud 料金表に統合されます。Search Engine Journal
補足
キーを移行しない場合でも、2025 年末に Google が自動でプロジェクトを作成して移行します。ただし課金アカウントが未設定のままでは、無料枠を超えた時点で reCAPTCHA が無効化されるため、早めの手動移行と上限アラート設定 を推奨します。
費用はかかるのか
結論から申し上げると、月 10,000 回までの無料枠があるため、多くの中小規模サイトは追加費用なし で利用できます。料金は「評価(Assessment)」と呼ばれる判定リクエストの回数に基づきます。
1 回の評価 = バックエンドで reCAPTCHA の検証 API を 1 回呼び出したタイミングです。
月間評価回数 | プラン | 料金 (USD) | 概算 (円)* |
---|---|---|---|
0 – 10,000 | 無料枠 | $0 | 0 円 |
10,001 – 100,000 | Standard | $8 / 月 | 約 1,200 円 |
100,001 以上 | 従量課金 | $0.001 / 回 | 約 0.15 円 / 回 |
- $1 = ¥150 換算。為替により変動します。
料金が発生しやすい例
- v3 を すべてのページで読み込み、各ページビューごとに検証している
- 複数サイト・複数フォームを 同一 Google Cloud 組織 で運用し、合計 10,000 回を超える
料金を抑えるコツ
- 送信時だけ検証 する実装に変更する
- フォームを設置した 特定ページでのみ スクリプトを読み込む
ポイント
お問い合わせ 1 件につき 1 評価だけに抑えられれば、月 300 件程度のフォームでも無料枠内に収まります。
最新のレートや詳細は Google Cloud の料金表をご確認ください。
移行しない場合の影響
自動移行でもフォームは直ちに停止しませんが、無料枠を超えると reCAPTCHA が無効化されるため、想定外のスパム流入が起こるリスクがあります。プロジェクト名・課金上限アラートを自分で設定できる 手動移行を推奨 します。
項目 | 自動移行が行われる場合の挙動 |
---|---|
タイミング | 2025 年末までに Google が一括実施 |
処理内容 | ランダム名の Cloud プロジェクトを自動作成し、既存キーをそこへ関連付け |
フォームの動作 | 移行直後は従来どおり動作(コード変更不要) |
課金設定 | 付与されない → 無料枠 10,000 評価/月を超えると reCAPTCHA が停止 |
運用面の懸念 | – プロジェクト名がわかりにくく管理しづらい – Cloud Console 上でログ確認やアラート設定を行う際、対象プロジェクトを特定しにくい |
reCAPTCHA の移行手順
Google Cloud プロジェクトを作成
- Google Cloud Console にアクセス
- 「新しいプロジェクトを作成」
- 任意のプロジェクト名を入力(例:
example-site-security
)
既存プロジェクトを使っても可。アクセス権は「オーナー」以上が必要です。
reCAPTCHA キーを関連付け
- reCAPTCHA 管理画面 にアクセス
- 該当キーをクリック → [Google Cloud プロジェクトに関連付け] を選択
- STEP-1 で作成したプロジェクトを指定 → [保存]
ここまでで API キー/シークレットキーは 変更不要。コード側の修正も不要です。
動作確認
- 本番サイトでフォーム送信テスト
- Cloud Console → Security › reCAPTCHA で「最新評価」にカウントが上がることを確認
課金アカウント をまだ設定しない場合でも、無料枠内であれば問題なく動作します。必要に応じて [アラート](無料枠 90 % 到達時など)を合わせて設定すると安心です。
ポイント
- 既存のサイトキーとシークレットキーはそのまま利用できます。
- コードの書き換えやキャッシュ削除は不要ですが、Cloudflare などの CDN を使っている場合は念のためキャッシュをパージしてから動作確認を行ってください。
まとめ ─ 今やるべき 3 ステップ
ポイント
- 月 10,000 評価までは無料枠内
- コード修正なしで移行可能
- 手動移行のほうが後々の管理が楽
現状を測る
Cloud Console › reCAPTCHA で 月間評価数 を確認
手動で移行
キーを希望プロジェクトに関連付け、課金アラートを設定
動作確認&完了
フォーム送信テスト → 評価がカウントされれば OK
迷ったらどうする?
- 自分での対応が難しい
- 2025 年末まで放置しても自動移行されます。ただし 無料枠超過時に reCAPTCHA が停止 するため、できるだけ早めの手動移行が安全です。
- 無料枠を超えそう
- フォーム送信時だけ検証するか、Cloudflare Turnstile(完全無料)への切り替えを検討してください。
ご不明点は「初回無料コンサル」からお気軽にご相談ください。
