

Claude Codeって、自分のパソコンのフォルダの中しか見ていないんですよね。カレンダーとか、社内のやりとりとかは、結局こっちで貼りつけるしかなくて。
ここまでの回で、Claude Codeは作業フォルダの中で、覚えて、段取りして、戻せるようになりました。今回は、できることを増やす道具の話です。
道具は3つあります。名前はどれも聞き慣れないと思いますが、この回では地図を渡すだけです。全部を使う必要はありませんし、今すぐ使う必要もありません。「こういうものがある」と知っておくと、必要になったときに思い出せます。
前回の記事では、CLAUDE.mdとスキルで、毎回言い直していることを書き留めておく方法を取り上げました。今回はその続きになります。


3つの道具を、先にひと目で
先に全体を出しておきます。それぞれの節は同じ形にしてあるので、気になるところだけ読んでも大丈夫です。


- コネクタ(MCP)。外のサービスを直接読み書きする。+ ボタンでつないで、ふだんの言葉で頼む。つなぐ前に信用できるか確かめる
- サブエージェント。調べものを脇に出して、要約だけ受け取る。「サブエージェントを使って〜」と頼む。細かく口を出す仕事には向かない
- フック。決まった場面で必ず動く。「〜するフックを作って」と頼む。最初は止める・知らせるから
共通しているのは、頼み方はどれも一言だということ。仕組みを理解してから使う道具ではなく、使いながら分かっていく道具です。
外とつなぐ ─ コネクタ(MCP)
MCPとは、Claudeを外のサービスやデータにつなぐための共通の決まりごとです。Claudeのアプリ(Codeタブ)ではコネクタという名前で出てきます。中身は同じもので、コネクタは設定を画面から選べるようにしたものです。
つなぐと何が変わるか。今までは、カレンダーの予定やチャットのやりとりを、自分でコピーして会話に貼っていました。つないだあとは、Claudeが直接読みにいきます。読むだけでなく、メッセージを送ったり、課題を作ったりもできます。
足し方は、入力欄の横にある + ボタンから。「コネクタ」を選ぶと、Googleカレンダー、Gmail、Googleドライブ、GitHub、Slackなどが並びます。会話を始める前でも、途中でも足せます。


頼み方はこうです。「来週の予定を見て、空いている午後を3つ教えて」。「このやりとりをSlackの◯◯チャンネルに要約して送って」。つないであれば、あとはふだんの言葉で頼めます。
気をつけることが、ひとつあります。公式がはっきり書いているのは、つなぐ前に、信用できる相手かを確かめること。とくに、外のページや文章を読んでくるものは、その中に「こうしろ」と仕込まれた文があると、Claudeがそれに従ってしまう危険があります。Anthropicが審査した一覧(ディレクトリ)に載っているものから始めるのが安心です。
一覧にないサービスも、設定ファイルに書けばつなげます。ただしこちらは技術者向けの手順なので、この記事では触れません。私たちが自社で作っている業務ツール(C-HUB)は、この方法でつないでいます。
手数を増やす ─ サブエージェント
サブエージェントとは、Claudeが自分の脇に立てる、もう一人のClaudeです。別の作業窓で仕事をして、要約だけを持ち帰ります。
なぜそれが効くのか。前回、Claudeが一度に覚えていられる量には限りがある、と書きました。大きな調べものをすると、読んだファイルや検索結果がぜんぶ会話に流れ込んで、覚えていられる量をどんどん使ってしまいます。すると、肝心の指示を忘れ始めます。
サブエージェントを使うと、その調べものを別の窓でやってくれます。本線の会話には、結果の要約だけが戻ってきます。調べる仕事は脇でやって、本線はきれいなまま。机の上を散らかさない工夫です。
頼み方は一言です。「サブエージェントを使って、このフォルダの中でお客様への通知を出している場所を全部調べて」。それだけで、Claudeが脇に助手を立てて、結果をまとめて報告してきます。頼まなくても、Claudeが自分で判断して使うこともあります。
気をつけるのは、向かない場面があること。公式が挙げているのは、何度もやり取りしながら直していく仕事。助手は要約しか持ち帰らないので、細かく口を出したい作業は本線でやったほうが早いです。
裏で動いている助手は、アプリの「タスク」の画面で見られます。何人が何をしているか、途中で止めることもできます。
必ず守らせる ─ フック
フックとは、決まった場面が来たら必ず動く仕掛けです。ふつうのフックには、Claudeが「やるかどうか」を判断する余地がありません。
前回、CLAUDE.mdに書いたことはお願いであって強制ではない、と書きました。フックはその対になるものです。お願いではなく、仕組みとして必ず走ります。


頼み方は、これも一言です。「設定ファイルを書き換えようとしたら止めるフックを作って」。フックの中身は設定ファイルに書くもので、自分で書くには少し手間がかかりますが、Claudeは書き方を知っています。頼んで、できたものを見せてもらえば十分です。
公式が例に挙げているのは、こういうものです。
- Claudeが手を止めてこちらの返事を待っているとき、パソコンに通知を出す
- 触ってほしくないファイルは、Claudeが書き換えようとしても止める
- ファイルを直したあと、決まった整え方を毎回かける
2つめが、いちばん分かりやすいと思います。CLAUDE.mdに「このファイルは触らないで」と書いても、それはお願いです。フックにしておけば、書き換えようとした瞬間に止まって、Claudeに「止められました」と伝わります。
フックは強い道具なので、最初は「知らせる」「止める」のような、壊す方向には働かないものから始めるのがおすすめです。何を入れたかは、/hooks と打てば一覧で見られます。
最初から全部は要らない
3つ紹介しましたが、前回と同じで、最初から用意するものではありません。公式も、きっかけが来たら足す、という書き方をしています。
- 別のアプリからコピーして貼る、を繰り返している → コネクタでつなぐ
- 脇の調べもので会話が長くなって、前の指示が埋もれ始めた → サブエージェントに出す
- 「毎回必ず」やってほしいことがあって、お願いでは抜ける → フックにする
「また同じことをしている」「また忘れられた」。その気づきが、足すタイミングです。
これで、道具に慣れる回はひと区切りです。次からは、この道具で実際にものを作って、世に出すところまでを追いかけます。
まとめ
- できることを増やす道具は3つ。コネクタ(MCP)、サブエージェント、フック
- コネクタは外のサービスにつなぐ仕組み。中身はMCPという共通の決まりごとで、アプリでは + ボタンから足す
- つなぐ前に、信用できる相手か確かめる。審査済みの一覧から始める
- サブエージェントは脇に立てるもう一人のClaude。要約だけ持ち帰るので、本線の会話が散らからない
- 「サブエージェントを使って〜を調べて」の一言で頼める。細かく口を出す仕事には向かない
- フックは決まった場面で必ず動く仕掛け。CLAUDE.mdの「お願い」の対
- フックはClaudeに頼んで作ってもらう。最初は「止める」「知らせる」から
- どれも最初から要らない。「また同じことをしている」と気づいたら足す
次回からは、実際にものを作ります。まず、何を作るかを言葉にするところから。
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