

Claudeに「調べておいて」って頼めたらいいのに。ブラウザとファイル、両方を扱う作業ってどうしても手が止まるよね。
Claude(クロード)の連載、第10回です。前回は、Claudeをパソコンのアプリで使う話でした。入れ方と使えるプラン、Macのクイックエントリー、手元の道具とつなぐ拡張機能、CoworkとClaude Codeの入口を紹介しました。


「この情報を確かめて、それをもとにこのファイルを整理して、そのうえで文章を書きかえて」。ひとつひとつは頼めるのに、ブラウザと手元のファイルを行き来する仕事になると、自分の手が止まる場所がまだたくさんあります。
この回は、前回に入口だけ紹介したCoworkの話です。いくつもの手順がある仕事を、Claudeにまとめて任せる機能です。
この回でわかること
- Coworkは何をする機能か
- 使えるプランと、始め方
- Coworkでできることと、使い始めるコツ
- 安心して任せるための設定と、今の段階で知っておきたいこと
Claudeの「Cowork」とは


Coworkは、いくつもの手順がある仕事を、Claudeにまとめて任せる機能です。質問に1つずつ答えるのではなく、Claudeが仕事を引き受けて、代わりに進めます。プログラムを書く人向けのClaude Codeと同じ仕組みを、ターミナル(命令を打ちこむ画面)なしで使えます。
Coworkは「話し相手」から「働き手」への切り替わりです。Claudeが受け取るのは質問ではなく、仕事そのものです。
頼むと、Claudeは次の順で進めます。
- 頼みを読んで、計画を立てる
- 大きな仕事は、小さな仕事に分ける
- Anthropic(アンソロピック)のサーバーの中の、ほかと分けられた場所で作業する
- できあがった物を返す。中身を見たり、ダウンロードしたりできる
途中では、Claudeが何を計画して、何をしているかが見えます。気になったら途中で口をはさんで、向きを直したり、指示を足したりできます。最後まで任せきりにすることもできます。
作業は、今はクラウド(ネットの向こうのサーバー)で動きます。パソコンを閉じても、作業は続きます。ProとMaxのプランでは、2026年10月6日から、新しい仕事はクラウドで動くようになりました。TeamとEnterpriseのプランでは、クラウドで動く形はまだベータ版(試しの版)です。
使えるプランと、始め方
Coworkは、有料のプラン(Pro、Max、Team、Enterprise)で使えます。無料のFreeでは使えません。使える場所は、プランによって少しちがいます。
- デスクトップアプリ(Mac・Windows)
有料のプランなら、どれでも使える - ウェブ(claude.ai)とスマホのアプリ
Pro、Max、Teamで使える。Enterpriseは、管理者がオンにしているときに使える
手元のファイルを読み書きする、ブラウザを動かす、といった仕事は、パソコンの中のものに手を伸ばします。なので、作業がクラウドで動いていても、MacかWindowsのデスクトップアプリが開いていて、ネットにつながっている必要があります。
始め方は、次の3つです。
- ウェブ、デスクトップアプリ、スマホのアプリのどれかで、Claudeを開く
- 入力の欄で「Cowork」を選ぶ
- してほしい仕事を書く。Claudeの進め方を確かめてから、任せる
なお、前回も書いたとおり、チャットとCoworkは今、1つにまとめている途中です。アカウントによって見え方がちがうことがあります。入力の欄に「チャット」と「Cowork」の選び分けが出ていなければ、新しい形です。選ばなくても、そのまま仕事を頼めます。
Coworkでできること
私たちが実際に使ってきた中で、Coworkが特に頼れると感じたのは4つでした。
- ブラウザでの調べもの
Claudeがサイトを開いてページを読み、調べものをしてくれる。「〇〇について公式サイトで確かめて、要点をまとめて」がひと言で通る - 手元のファイルの整理
フォルダの中身を読み取って、決めた形とのずれや、散らかり具合を見る。必要なら、名前のつけ直しや移動もできる - 書類の書きかえ
整理した情報をもとに、今あるファイルの中身を書きかえる。使っている手順書や設計書に反映するときに便利 - スキルとの組み合わせ
第8回で紹介したスキルを、Coworkの作業の中でも使える。決まったやり方を組み合わせて動かせる
公式のヘルプにも、こんな例が挙がっています。
- ダウンロードのフォルダを、ファイルの種類と日付で整理する
- フォルダに入れたレシートから、経費の報告書を作る
- ウェブで調べたことや記事、メモをまとめて、1つの報告にする
- 会議のメモから、大事な点と、やることを抜き出す
- 数式の入ったExcelの表や、メモからスライドを作る
たとえば「フォルダの整理について調べて、提案して」と頼むと、Claudeは考えていることと進め方を見せながら、フォルダの中身を順に読み取ります。そして、決めた形と今とのずれや、散らかり具合を返してくれます。ここで止めて相談に使うこともできるし、そのまま整理まで任せることもできます。
ブラウザでの調べものは、デスクトップアプリでは、アプリの中に入っているブラウザで動きます。このブラウザは、2026年10月の今、順に使えるようになっているところです。Chromeの中でClaudeを使っている人は、自分のChromeで動かすこともできます。Chromeで使う話は、あとの回で紹介します。
使い始めるコツ
Coworkを使い始めるとき、いきなり「〇〇を整理して」と本番の仕事を頼むよりも、私たちがおすすめしたいのは「使い方そのものをCoworkと相談する」から入る流れです。
- 進め方を相談する
「このパソコンで、ファイルをどう置くと使いやすいか」「どんなフォルダの分け方が合っているか」をCoworkに相談する。実際の作業ではなく、これからの決まりを一緒に考える使い方 - 読み取りだけで始める
「まだ書きかえないで、読み取って提案だけして」と頼む。これは頼み方のくふうで、書きかえを止める設定があるわけではない - 任せる範囲を少しずつ広げる
最初は決まったフォルダだけにしぼる。慣れてきたら、ほかのフォルダやコネクタ(ほかのサービスとのつなぎ)も足していく - うまくいった頼み方をスキルにする
うまくいった頼み方を、そのままスキルとして残す。次からは呼び出すだけで、同じ手順が走る
「Coworkで作業の決まりを一緒に考えて、その決まりに沿ってCoworkに動いてもらう」という順にすると、失敗しにくくなり、Claudeの動き方も自分のねらいに沿ってきます。
安心して任せるための設定


Coworkは、何でも勝手に動く機能ではありません。触れる範囲と、動く前の確かめ方を、自分で決められます。
- 触れるフォルダを決める
Claudeが読み書きできるのは、つないだフォルダの中のファイルだけ - 使うコネクタを選ぶ
Googleドライブ、Gmail、Googleカレンダーのようなほかのサービスは、入力の欄の「+」か、「カスタマイズ」のコネクタのページで、使うものを選ぶ - ファイルを消す前は、必ず聞いてくる
Claudeがファイルを消すときは、確かめの画面が出る。「許可」を押すまで消さない
動く前にどこまで確かめるかは、3つのモードから選べます。入力の欄のモードの選び分けから、いつでも変えられます。
- 手動
Claudeはいったん止まって、動いていいかを聞く。1つずつ見て、「許可」か「拒否」を選ぶ - 自動
Claudeは止まらずに進める。そのかわり、1つずつ安全かを見て、危ないと見たものは止める。止めたときは、ほかの安全なやり方を探すか、手を止めて聞いてくる。この確かめのぶん、ほかのモードより多く使う - スキップ
止まらず、何も確かめない。仕事にかかわるものを全部信じられるときだけ使う
新しい形(チャットとCoworkが1つになった形)では、選べるのは「自動」と「手動」の2つで、何も選ばなければ「手動」です。
公式は、「自動」でも守りは完全ではないとしています。お金、自分の名前で送る連絡、大事なファイルがかかわる仕事は、そばで見ているか、「手動」に戻すようにすすめています。
最初のうちは、読み取って提案してもらう使い方で、Coworkが何を見て、何を提案してくるかをつかんでおくのが安心です。書きかえを任せるのは、感じがつかめてから。
今の段階で知っておきたいこと
便利な機能ですが、使い始める前に知っておくと戸惑わずに済むことが4つあります。
- 使う量はチャットより早く減る
いくつもの手順がある仕事は、短い質問より多く使います。Claudeが進める1歩ごとに使うためです。公式の製品ページにも「Claude Cowork consumes limits faster than Chat」(Coworkはチャットより早く上限を使う)とあります。試しはじめは、大きな作業をいくつも同時に投げるより、ひとつずつ様子を見ながら進めるほうが安心です。公式は、関係のある仕事は1つにまとめて頼み、関係のない仕事は新しい会話で始めることもすすめています - 画面を操作する機能は、まだ試しの段階
Claudeがパソコンの画面を見て、押したり打ったりする「コンピュータの操作」は、まだベータ版です。使えるのはProとMaxのプランだけで、TeamとEnterpriseではまだ使えません。アプリを使う前には、アプリごとに許可を聞くように作られています。これから育っていく途中の機能だと思って触れておくといいです - 会社で使うなら、記録の扱いを確かめる
Coworkでのやりとりは、Compliance API(会社がやりとりの記録を取り出すしくみ)で取り出せます。作業の動きを会社の見張りの道具に流すこともできますが、公式は、これは決まりを守るための監査の記録の代わりにはならないとしています。組織のルールで操作の記録を残す必要がある場合は、ここを踏まえて使い方を決めてください - ページや書類にまぎれた指示に気をつける
Coworkはネットにつながって自分で動くので、ほかにない危なさがあります。公式は守りを入れていますが、ページや書類にまぎれた指示にだまされる危険(プロンプトインジェクション)は「ゼロではありません」としています。よく知らないサイトやサービスに触れる範囲を広げる前に、どこまで信じられるかをよく考えるよう、公式もすすめています
どれも「使わないほうがいい」という話ではなく、知らずに使うと驚くところです。先に知っておけば、落ち着いて付き合えます。
CoworkからClaude Codeへ
シリーズでは、これからClaude Codeを扱う回が控えています。Coworkは、その一歩手前の練習台としてちょうどいい機能です。
- 頼み方の感覚をつかめる
Coworkで「調べて」「整理して」と頼む経験は、Claude Codeでの頼み方にそのままつながる - ターミナルなしで始められる
Claude Codeと同じ仕組みを、命令を打ちこむ画面なしで使える。ウェブやスマホからも使えるので、足慣らしがしやすい - 動くのは同じClaude
CoworkでもClaude Codeでも、動くのは同じClaude。片方で得た「頼み方の勘」は、次の場所でも活きる
「まずCoworkでClaudeにパソコンを使う仕事を任せる感覚をつかんで、そのうえでClaude Codeに進む」。シリーズ全体の流れとして、こういう歩みをおすすめしています。
まとめ
- Coworkは、いくつもの手順がある仕事を、Claudeにまとめて任せる機能。有料のプラン(Pro・Max・Team・Enterprise)で使える
- デスクトップアプリ、ウェブ、スマホで使える。手元のファイルやブラウザを使う仕事は、MacかWindowsのデスクトップアプリを開いておく
- できることは、ブラウザでの調べもの、手元のファイルの整理、書類の書きかえ、スキルとの組み合わせなど
- 使い始めるコツは、使い方をCoworkと相談するところから。読み取って提案してもらう頼み方で始めて、任せる範囲を少しずつ広げる
- 触れる範囲と、確かめ方のモードは自分で決められる。ファイルを消す前は必ず聞いてくる
- 使う量はチャットより早く減る。画面を操作する機能は、まだベータ版
- CoworkはClaude Codeへの練習台。同じClaudeが動く感覚を先につかめる
人とAI、どちらも必要で、どちらにも意見がある。その前提で、実際の仕事での使い方を書いていきます。
次回は「Claudeと「仕事の流れ」を回す」です。


※この記事は、2026年10月に今の内容に書き直しました。
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