

Claudeに「調べておいて」って頼めたらいいのに。ブラウザとファイル、両方を扱う作業ってどうしても手が止まるよね。
Claudeとの会話に慣れてくると、こう感じることが増えます。「この情報を確認して、それを踏まえてこのファイルを整理して、そのうえで文章を書き換えて」──ひとつひとつは頼めるのに、ブラウザとローカルの両方を行き来する作業になると、自分の手が止まる場所がまだたくさんあります。
これに応える機能が、アプリ版のCoworkです。ブラウザの調査もローカルファイルの整理も書き換えも、Coworkからひとつの流れで任せられます。Pro・Max・Team・Enterpriseの各プランで使える、アプリ版の中核機能です。無料プランでは使えません。
以前の記事では、Claudeのデスクトップアプリの中で「Chat/Cowork/Code」の3タブを行き来する話を取り上げました。今回はその中でも、Coworkに絞って踏み込みます。


Claudeの「Cowork」とは
Coworkとは、Claudeにパソコンの中の作業を任せて、仕上げてもらう機能です。会話の中で「〇〇を調べて」「このフォルダを整理して」と頼むと、Claudeが自分でブラウザを開いたり、ファイルを読み取ったり、必要に応じて書き換えたりしながら、作業を進めます。
ChatタブとCoworkの違いを表にすると、こんな具合です。
| 場面 | Chat | Cowork |
|---|---|---|
| 会話の中心 | 質問と回答 | タスクの依頼と成果物 |
| PCへの操作 | しない | ブラウザやローカルファイルを操作する |
| 実行前の確認 | 会話でその都度 | 実行計画を提示して承認を待つ |
| 向く用途 | 相談・下書き | 調査・整理・書き換え |
表の中でいちばん違うのが「実行前の確認」です。Coworkは頼まれたことをすぐ実行するのではなく、何をどう変えるかの計画を先に見せて、承認を待ちます。


Coworkは「話し相手」から「働き手」への切り替わり。Claudeが受け取るのは質問ではなく、タスクそのものです。
Coworkでできること


Coworkの入り口を開くと「タスクを片付けましょう」というホーム画面が出てきます。そこから今日やりたいことをClaudeに頼みます。
私たちが実際に使ってきた中で、Coworkが特に頼れると感じたのは4つのカテゴリでした。
- ブラウザでの調査
Claudeが自分でブラウザを開いて、調べ物をしてくれる。「〇〇について公式サイトで確認して、要点をまとめて」がひと言で通る - ローカルファイルの整理
フォルダの中身を読み取って、構造の意図とのズレや散らかり具合を分析。必要ならリネーム・移動もできる - ドキュメントの書き換え
整理した情報を元に、既存ファイルの内容を書き換える。運用中のREADMEや設計書に反映するときに便利 - Skillsとの組み合わせ
あらかじめ作ったSkillをCoworkの作業から呼び出す。定型フローを組み合わせて動かせる




たとえば「フォルダの整理について調査して提案して」と頼むと、Claudeが「思考プロセス」を見せながらパソコンの中身を読み取り、設計と現状のズレを整理して返してくれます。ここまでで作業を止めて相談に使うこともできるし、そのまま整理まで任せることもできます。
使い始めるコツ
Coworkを使い始めるとき、いきなり「〇〇を整理して」と本番作業を頼むよりも、私たちがおすすめしたいのは「使い方そのものをCoworkと相談する」から入る流れです。
- 運用フローを相談する: 「このパソコンでファイル管理をどうすると効率的か」「どういうフォルダ構成が向いているか」をCoworkに相談する。実作業ではなく、これからの運用ルールを一緒に決めるモードで使う
- 読み取りだけで始める: 「まだ書き換えないで、読み取りだけで提案して」と伝える。Claudeは書き換えせず、現状の把握と提案だけを返してくれる
- 段階的にアクセス範囲を広げる: 最初は特定のフォルダだけに絞る。慣れてきたら他のフォルダやコネクタも許可していく
- 成功パターンをSkillにする: うまく機能した頼み方を、そのままSkillとして保存。次回からは呼び出すだけで同じ手順が走る


「Coworkで作業ルールを一緒に考えて、そのルールに沿ってCoworkに動いてもらう」という順序を踏むと、失敗のリスクが小さくなり、Claudeの動き方も自分の意図に沿ってきます。
安心して任せるための設定
Coworkは「勝手に動く」機能ではありません。実行前に必ず計画を提示して、承認を待ちます。加えて、以下の設定で範囲を絞れます。
- アクセスできるフォルダを指定: Claudeが読み書きできる範囲を、フォルダ単位で選ぶ
- コネクタの許可: Google Drive、Gmail、カレンダーなどの外部サービスを、必要なものだけ許可する
- 実行前の計画確認: 「これから以下の作業をします」がChatに提示されて、承認 or 却下できる
- 読み取りだけ/書き換え可 の切り替え: 作業依頼時に「読み取りだけ」と明示すれば、Claudeは書き換えしない


最初のうちは「読み取りだけ」で使い倒して、Coworkが何を認識しているか・何を提案してくるかを把握しておくのが安全です。書き換えを任せるのは、感触が掴めてから。
今の段階で知っておきたいこと
便利な機能ですが、使い始める前に知っておくと戸惑わずに済むことが3つあります。
- 使用量はChatより早く減る
Claudeが自分で何度も考えて動く分、通常の会話より多くの処理を使います。公式にも「CoworkはChatより早く上限を消費する」と明記されています。試しはじめは、大きな作業をいくつも同時に投げるより、ひとつずつ様子を見ながら進めるほうが安心です - 画面やブラウザを操作する部分は研究プレビュー段階
Coworkの中でも、Claudeが画面やブラウザを直接操作する機能は、公式に「research preview」と位置づけられています。これから育っていく途中の機能だと思って触れておくといいです - 会社で使うなら操作記録の扱いを確認
Coworkでの作業内容は、現時点では監査ログやCompliance APIに記録されません。組織のルールで操作履歴を残す必要がある場合は、ここを踏まえて使い方を決めてください
どれも「使わないほうがいい」という話ではなく、知らずに使うと驚くところです。先に把握しておけば、落ち着いて付き合えます。
CoworkからClaude Codeへ
シリーズでは、これからClaude Codeを扱う第3部が控えています。Coworkは、その一歩手前の練習台としてちょうどいい機能です。
- プロンプトからPC操作の感覚をつかむ: Coworkで「調査して」「整理して」を頼む経験は、Claude Codeでの依頼の仕方に直結する
- アプリの中だけで完結する: 別の道具を組み合わせずに、標準機能として使える。Claude Codeに進む前の足慣らしがしやすい
- 同じClaudeが動き続ける: CoworkでもClaude Codeでも、動くのは同じClaude。片方で得た「頼み方の勘」は、そのまま次の場所でも活きる
「まずCoworkでClaudeにPC作業を任せる感覚を掴んで、そのうえでClaude Codeに進む」──シリーズ全体の流れとして、こういう歩みをおすすめしています。
まとめ
今回のポイントを整理します。
- CoworkはClaudeにパソコンの中の作業を任せる機能。Pro・Max・Team・Enterpriseの各プランで使える
- できることは大きく4つ:ブラウザ調査/ローカルファイル整理/ドキュメント書き換え/Skills組み合わせ
- 使い始めるコツは「使い方をCoworkと相談する」から。読み取りだけモードで始めて、段階的にアクセス範囲を広げる
- 安全のためのアクセス範囲設定と、実行前の計画承認が組み込まれている
- 使用量はChatより早く減る。画面やブラウザを操作する部分は研究プレビュー段階
- CoworkはClaude Codeへの練習台。同じClaudeが動く感覚を先に掴める
次回は、Cowork応用編。定型作業のスケジュール化や、複数の情報源を横断する使い方に踏み込みます。日常業務にCoworkが溶け込む感覚を、もう一歩深くお届けします。
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